大判例

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大阪地方裁判所 昭和45年(ワ)3398号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、請求原因一(一)乃至(四)の事実は当事者間に争いない。

二、本件事故現場は車道の巾員15.7米(中央に巾6.1米の旧市電軌道敷がある)のアスファルト舗装の道路で駐車、横断禁止地域であり、三軒家交差点から南に七〇〜八〇米の地点であるが、訴外奥埜太は事故車を時速約一五キロで運転し中央寄りを北進中、左前方を同方向に進行していた大型貨物車が前車に続いて停車したので、約一七米前方に認めたがそのまま約15.3米従前の速度で同車と0.8米の間隔をおいて進行したところ、右同車の前方を通つて西から東に向つて横断せんとして出て来た原告を左斜前方約二米に発見、急制動、右転把したが及ばず、自車左前部を原告に衝突して、その場に尻もちをつかせた。

一方、原告は当時交通が渋滞していた本件事故現場を西から東に横断しようとその機会を五・六分待つていたところ、たまたま通りかかつた大型車が道を明けてくれたのでこの前を通つて横断しかけたものであるが、折から中央寄を北進中の事故車に気付かないまま衝突された。(甲六号証の一乃至四、原告本人、被告会社代表者各尋問の結果、証人奥埜太の供述)

三、原告は右事故により右鎖骨複雑骨折、右側頭部打撲症の傷害を受け、中村医院に昭和四三年五月二九日から同年七月三一日まで六四日入院し、翌八月一日から昭和四四年四月三〇日まで二七三日間(実日数六四日間)通院し、略治と診断されたがなほ通院し、骨折部分の一ケ所が癒合不充分で仮関節を形成していることが判明し、又原告が手術後の醜状痕の整形を強く希望したため、成否不明のまま昭和四四年一〇月三日から同月三一日まで二九日間再入院して手術し、翌一一月一日から昭和四五年三月三一日まで通院し(再入院の前後を通し実日数は一四三日間)し、右同日治ゆと診断された。しかし、再手術の結果骨折部分の異常はなくなつたがケロイドは更に増悪し右鎖骨手術後に長さ九センチの瘢痕を生じ、又頭痛、めまい、眼精疲労を後遺する。

四、ところで、被告は事故車運転者には過失がなかつたし、不可抗力であつたと主張するが、交差点における交通が渋滞している場合横断禁止場所においてもあえて横断歩道外の横断を試みる歩行者のあることは予想されるところであるし、又左側を走行する車が自車前方に進路を変更することもあり得ることであるから自動車運転者としては直前を進行する車のみ注意するだけでは足りず側方に対しても注意すべき義務あるものと言わなければならない。しかるに右訴外人はこれを怠り左前方の大型車が前車に続いて一時停止したのを確認したのみで同車と0.8米の間隔をおいてその側方を時速約一五キロで漫然と進行した過失は免れない。

一方原告は横断禁止場所にも拘らず、あえて一時停車中の車の前を通つて横断をなし、左右の安全を正確に確認することもなく(衝突するまで事故車に気付かず)横断可能と即断して横断を続けた過失がある。

そして本件事故発生についての両者の過失割合は前同訴外人四に対し原告六と認めるのが相当である。

本件事故車につき被告会社が保有者であることは当事者間に争いない。

被告会社は原告の蒙つた次の損害の四割に当る金額を賠償すべき義務がある。

(菅納一郎)

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